第67話
最近ではユニコーン企業のブルーだかグリーンだかの水素を輸入する契約を取ってきたと、うちの課長が嫉妬深そうに小言を漏らしていた。
唯一株価が日経平均に左右されないどこぞの夢の国と同じで、夢をリアルに叶えるビジネスマンの鏡ともいえてしまうのが朋政先輩だ。
いや先輩を買い被りすぎるのはやめておこう。つけ上がるだけだし、僕そのものがユニコーンだもん。とか言いそうだし。
私の中でスパダリのなんたるかが問われ始めている。
人を馬鹿にしたような先輩の言い草は、傍から見ればパワハラとも受け取られかねないが、先輩は私しか馬鹿にしない。
誠に遺憾ではあるけれど、先輩の教育下で共に育ってきたまゆゆと私の間には、何かしら目に見えない違いが存在するらしい。
その真相に迫ってみたのが、先週の誕生日でのこと。
因みになぜ先輩が私の誕生日を知っているのかといえば、初年度、まゆゆが自分の誕生日に「何か下さいよ〜!」と言ったのがきっかけで、ついでに私の誕生日を聞かれたからだ。
先輩が異動するまでは、私もまゆゆも誕生日に、先輩の使用済ボールペンとか、先輩が街中で貰ったティッシュとか、プライスレスなものばかりを貰っていた。
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