第41話
「そういえば三課はどう?」
「一課と違って大手メーカー様だらけだからな。入口から違いすぎる。とにかく担当までいきつくまでが遠い。」
「書類も倍になるもんね。受付嬢とか可愛いの多いの?」
「美人でとろそうなのと可愛くて強そうなのはいた。特に自動車メーカーは外見重視っぽい。」
「半導体不足は解消しそう?」
「まあ回復傾向にはあるよな。ただ製造装置の輸出規制がまた追加されるから、経産省の許可取る手間が増えるわ。」
「三課の代理申請担当になったら私胃潰瘍とうつ病で休職する自信ある。」
「大丈夫。公認元カップルが早々同じ部署にはならんから。」
「人事部に池駒みたいなのがいないことを祈る。」
「それな。」
暑さが残る下期。実来と別れたタイミングで俺は異動になり、一課から、別フロアの三課へと移った。
付き合っていた約半年間は、社内の人間に知られることはほとんどなかったと思う。でも実来がげろったあの事件、つまり別れる前日に、たまたま居酒屋にいた社内の人間に知られた。
「六神さんと実来さんて付き合ってるの?」に対し、「いや別れましたけども。」と誰かさんが普通に返したのをきっかけに公認元カップルとなった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます