第25話

「軽く付き合ったんなら、軽くコトを済ますべきではないの?と思うわけよ私は。」


「正直さ、ぱるるは誰にでも気兼ねなく話しにいくし。軽すぎて女としてみられにくい、ってのはあるよね。」


「…“塩対応”で充分事足りる女ってこと?」


「“ぱるる”だけに、ね。」



アイドルを卒業した元アイドルの話はおいといて。



ああ、つまり私、女としての魅力に欠けてるのか。



悲観的という言葉を知らない私は、ハニートラップを決行してみることにした。


  

ちょうど付き合って半年経った頃。居酒屋で、わざと酔っぱらって、お持ち帰りを試みることにしたのだ。今考えてもあり得ない暴挙。


 

結果からいって、刈谷が飲みそうな濃度の高いアルコールを片っ端から頼んでみたら、気持ち悪くなった。気持ち悪くなった上に、記憶がとぶほど泥酔した。



思ってたんとちがう。



本当は意識保てる程度に、かわいく酔うつもりだったのに。



抱いて。と六神に遠回しに伝えるつもりが。



一周回って、泥酔して記憶失くしましたけどなにか?になったのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る