第24話

「レベル上げのためソロで狩ってみたら、ほぼコーヒーになった件」


「アウェイすぎるわ!だがしかし、理解もできる。」


「つまり俺たちのベクトルが一致したといっても?」


「過言ではゴザイマセン。」


「なら俺たち付き合うのもありだと思う人」


「さんせーに一票」


「本件ハ満票ニヨリ可決サレマシタ」



“10代の付き合う”感覚って、もっと重く慎重なもんだったはず。六神とのそれについては、軽いともいえるもので。

 


でもその軽さには特に抵抗もなく、ああ“大人の付き合う”ってこんなフワッとした感じかなあ、と、大人になりかけの自分に浸ってみたりなんかもした。



背伸びしなくとも、大人とちゃんと並んで歩いている私たち。麗らかな暖かさを迎えるのにちょうどいいと、何年かぶりの彼氏という存在に浮き足立っていた実来春風、25歳の仲春。

 


今にも日記をブログで綴りそうな私に、“そのブログちょっと待った”をかけたのは、塩対応の六神だった。



六神は思った以上に、私という恋人に対して塩だった。



句読点のない一言メッセージ、折り返しが次の日以降しかない電話。



それでも一応手はつないだ。ハグもした。キスも、軽いのは数えるくらいにした。



でも、それ以上がない。



ないのだ。一ヶ月経っても、三ヶ月経ってもない。それ以下のあっさり塩系はあっても、こってりとんこつ二郎系が異常にない。



「もっとどろどろにいきましょうや」なんて本人には言えるはずもなく、なんでやねん。ってまゆゆに何度か相談した。



まゆゆは、「気が合いすぎて話してる方が楽なんじゃん?それかEDか。」と韓国カフェで、恥ずかしげもなく言っていたのを覚えている。

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