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第9話
「あぁ、おっちゃんのおじいちゃんから聞いた話だけど。『この町には、山のお寺
にたくさんのお墓が立てられていた。でも、お寺は、借金のために他の人に買わ
れた。お墓も壊させた。その後に埋められて、立派なスーパーマーケットを建て
られた。しかし、色んな事件が起こって、そこの社長は、怖くなって逃げ出し
た。誰もそのスーパーに近づかなくなり、廃墟になった』という話。そこには、
今でも色んな噂がある。だから、ここはお墓じゃない。学校の体育館の裏にある
桜通りもそのお寺に繋がる道なんだ。『幽霊が出る』とか『昼間に人が乗ってい
ないのに、動いて通って行く』と見たって人がいるのは、そのせいだったよ。長
くなったけど」
晴おじさんは、お茶を一口飲んで、窓のそばに行った。千春達はずっと黙った
ままだった、が。
「……うん。そうか。そうだったのか。何だか損した気分。」
雅名は、なんだか、がっくりしたような顔をした。
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