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第8話
「よっ……ん、どうしたんか。千春の顔が真っ赤じゃないか?
なっ、範加ちゃん」
「……ん、そうね」
「何でもないよ。ちい」
直が、千春の頭を撫でた。思わず、驚いた千春は――。
「……うーん。それよりさ、学校のお墓の事で話があるけど。
仲間に入らーん」
「わしも、はめてくれるのか。仲間に。わしも、お墓の事だったら、知ってる!」
萩夜は、自慢そうに言った。範加は、じっと黙って、それを聞いていた。
すると、雅名は手を組んだ。
「萩夜、自慢そうに言っているけど。……実は皆、知っているんだよね」
「……んー雅名! そういう事を言ったらいけないわ」
範加は、萩夜を庇うように言った。直は態勢を直しながら――。
「そんな事は、もう、いいじゃんかよ。聞きに行こうぜ。ちい」
「うん。ほって行こう。もう時間がないし、警備の晴おじちゃんは、当直でよ。
今日は土曜日だし、学校も昼間までだから。皆も週末帰省だから。
多分、暇だろう? こんないい日は、めったにないよ。
ほら、見つからないうちに、行くよ。見つかったら、看護婦が、うるさいし。
また怒られるから」
千春は、直の電動車椅子に掴まって、二人で学校の警備室へと行って
しまった。
「あっ、待って!」
範加達は、走って後を追いかけて行った。
警備室に着いた五人は、椅子に座っている晴おじさんに聞いた。
「晴さん、ここがお墓だったのか?」
直は、単刀直入に聞いた。晴おじさんは、笑い出した。
「……はっはっはー。何処から、そういう事を聞いたんだ。」
「何で笑うの?」
範加は、不思議そうな顔をしている。千春は、真面目な顔で――。
「笑わらないで言ってくれる? ねぇ、まーちゃん」
「そうだよ。言ってよ。晴おじちゃん」
雅名は、千春と顔を見合わせた。晴おじさんは、ポットのお湯を急須に
注ぎながら、言った。
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