3

第7話



「……あのね、それだったら、萩夜君も仲間に入れたいの。施設で一番の情報

 屋さんだから」



 範加は、もぞもぞとして、雅名の後ろに隠れた。雅名は、そんな範加に言った。



「ん、もぉ! 範加はー。私の後ろに、隠れてそういうふうに言うんだったら、呼

 んで来てよね」



「……はーい。呼んできま~す」



 範加は、嬉しそうに走って行った。



「……んー。本当に嬉しそうだね。のーちゃんは。僕、羨ましくなるよ。本当に」



「俺も。」



「そうやねぇ。あんたら、意外とお似合いなのに」



 三人は、範加の事を話ながら笑っている。雅名は、二人をちゃかしはじめた。



 すると、千春は赤面しながらも、ムキになって――。



「そんな違うよ! もぉ、まったく嫌な奴。まぁ! そんな事は置いといて。

 もうじき、のーちゃんと萩夜が来るわー」



「俺は、ちいとはそんな事になるかよ。子供みたい奴と」



「そうやって、逸らすの? まぁ、いいけど。

 ……二人とも、後悔しても知らんよ。あっ、来た」


 

 そんな事を話していたら――。範加と黒のジャケットを着た萩夜が



 手をつないで、こっちに走って来た。



 彼の名前は、明行 萩夜。直の同じ、高校一年生。クラスも一緒で直に勉

 強を教えてもらっている。彼は、歩けるが、ちょっと、足が震える。直とは反対

 で、地黒でがっしりしていて、日本離れした体つきに掘り深い顔。

 女の子によくもてる。が、彼は、興味がない。

 そんな彼も範加の事が内心では、好きである。でも、直の事をよく面倒を見

 ている。

 優しくよく喋るのに、情報とか噂話が大好きで、皆からは(一番の情報屋)と

 言われている。

 でも、本音はあまり言わない。彼は、ジャケットなどを着ている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る