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第6話


「範加さん、雅名さんに言うよ」



 直は、二人を待っている。そこに、二人が来て――。



「……どうしたの。直君と千春の二人でコソコソと話して~」



 直の電動車椅子のグリップを持った雅名。


「あのなー、……範加さん、雅名さんは聞いた事があると思うけどな。

 昔、〈ここ〉ってお墓だったんかぁ?」



「うん、そうよ。学校の警備員の晴おじさんが言ったのよ」



 範加は、手で横髪を耳にかけながら、言った。その隣にいる雅名は――。



「そんなものを聞いて、どないする気? あんた達」



「ほーら、決まってるじゃん。本当か調べるんよ! ねぇ、直君」



 顎の下に手をピストルのようにあて、格好を付ける千春。



「ちいは、そういう事を考えるのを、良い加減にしろよ。

 いつも、俺に泣きついてくる癖に!結局、こうなるよなぁ~!

 まぁ、しょうがない。付き合ってやるよ」


 直は、困った顔をした。



「あっ、悪かったね」



『自分だって』と千春は思う。



 (……本当は、直君だって興味ある癖にして

  素直になればいいじゃんかよ……)

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