第4話


「あっ、俺は、いいよ。それより、お前は、女の癖に、『僕って言うな』って、言ってあるだろうが!」



 直が千春の頭をコツンと軽く叩いた。



「もうー、痛いよ! 何するんだよ。自分だって……女みたーいのに!!」



「わーかったよ! 行け」



 直は、千春の車椅子のグリップ(押してもらう所)を手のひらで、軽く押した。



「……ん。もう、するなよ。施設に帰るよ」



 千春は、咲き始めた桜を見ながら、施設に帰った。



 これから、千春や直などの子供達が、どんな事を巻き起こすのか、咲き始めた桜は、予感をしていた。

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