最終話:だって私半妖だもん。
絵馬が指差した方向にひとつ火の玉みたいな明かりが灯った。
その明かりが動いて俺たちのほうにやってくる。
「わ・・・あ、あれ、もしかして狐火ってやつじゃないか?」
「そこな御仁・・・私を呼びましたか?」
「え?・・・あのお母さん?」
「え?・・・もしかして絵馬?・・・絵馬なの?」
「お母さん・・・」
「絵馬なのね・・・」
「まあ、大きくなって綺麗になって・・・こんなところまでよく来たわね」
感動的な親子の対面。
「私の彼が連れて来てくれたの」
そう言われて俺は美人のお母さんにお辞儀した・・・もしかしたら将来俺の
義理の母ちゃんになる人「狐」かもしれないし・・・。
狐が母ちゃんなんてなんてレア・・・マニア心をくすぐる。
懐中電灯に照らされた女性はめちゃ美人で着物を着ていた、キツネの姿でも
なく普通の人間の女性だった。
「娘が絵馬がお世話になってるようで・・・・この子のことをどうぞよろしく
お願いします」
「はい、大切にします、安心してくださいお母さん」
絵馬はこうして母親の「萩の葉」に会えることができた。
実は俺は半信半疑だったんだ・・・本当に絵馬の母ちゃんに会えるのか?
あくまで狐の話は伝説・・・まあ絵馬が半妖じゃなかったら、ここに来ることも
なかったんだけどな。
「お母さん・・・また時々訪ねてくるからね・・・元気でいてね」
「あなたも元気で、幸せにね」
名残おしい再会だったがまた会いに来れるってことで俺と絵馬はキツネの
関所から旅館へ帰ってきた。
あ、そうそう絵馬の母ちゃんに聞いたところ、やっぱり安倍清明さんの
お母さん「
めっちゃ貴重な情報をゲットした。
で、旅館に帰った俺と絵馬・・・約束通りエッチってなりかけたんだけど
絵馬が俺を制した。
「待って・・・ちょっと待って」
「なんでよ?・・・エッチするって約束だったよな?」
「あのさ・・・マンションへ帰ってラブドールからやり直さない?」
「最初に戻って・・・」
「絵馬がそれでいいって言うなら・・・」
なわけで、しかたなく何もしないまま俺たちはマンションへ帰った。
それから一日、絵馬は外にでかけたっきり次の朝も帰って来なかった。
「え〜俺を見限って出てった?・・・まさか?」
そしたらその日の昼過ぎ、マンションに大荷物が届いた
畳一枚くらいありそうな木枠で丈夫に梱包された段ボール。
もうなにか分かってるし・・・わざわざここから始めるのかよ。
しかたないので俺は受け取りにサインして玄関の上がり端に荷物を置いて
もらった。
「バラしたらまた残材ができるじゃないかよ・・・」
あれ?これってデジャヴ?
そう思いながらとりあえず木枠をバラしてダンボール箱だけにした。
で梱包テープをはがして段ボール箱を、おもむろに開いてみた。
「あのな〜・・・なんでわざわざここからおっぱじめるんだよ」
「ご丁寧にトリセツまで作り直したのかよ」
「しかも、また手書きだし・・・・・・大学にだってプリンターあるだろ?」
そしたらラブドールがクスって笑った。
「このたびは、クスクス・・・AI搭載のラブドールをご購入くださいまして
・・・あはは・・・誠にありがとうございます・・・ブウ〜」
「無理してしゃべらなくていいよ・・・そのセリフだって必死んで覚えたんだろ?
「あ、これだけはお守りください・・・ラブドールをご使用になられる時は
コンドームをお使いください・・・妊娠しちゃうと困るので・・・」
「では当社のドールを充分お楽しみください」
「もう、いいから・・・はい、段ボールから出て出て」
絵馬は段ボール箱から上半身だけ起こして言った。
「出てもいい?」
「勝手に出ればいいだろ?」
「つうか・・・また下着姿かよ・・・そこはまあ、いいけどな」
今度は俺は洋服ダンスから俺の服を出さなかった。
「
「分かってるよ・・・おっぱい舐めていい?」
「どうぞ・・・おっぱいでもどこでも舐めて?」
「あのさ・・・段ボールになんか入らなくて、そのままでよかったんじゃないか?」
「それじゃ、つまんないじゃない」
「あんなことでも金かかっただろ?」
「大丈夫だよ一回のエッチで
「え?エッチするのに金取るのか?」
「当たり前でしょ・・・タダで半妖の私とエッチできると思ってたの?」
「甘いよ、
「なんなら月額にしてあげてもいいけど・・・」
「なんで、自分の彼女から金とられなきゃならないんだよ・・・風俗じゃ
あるまいし・・・」
「風俗より安く抱けるんだからいいじゃん」
「そういう問題かよ・・・彼氏から金取るなんて」
「じゃ〜いいわ・・・俺もそこまでしてやりたくないから」
「え?しないの?・・・私がここまでプロデュースしたのに?」
「無料でやらせてくれないならボツ!!」
「んん〜〜じゃしかたない・・・タダでいいよ」
「まじでか?」
「終わったあとで集金なんて言うなよ?」
「言わないよ・・・だから抱いていいよ」
「あ〜耳と尻尾は邪魔になるからしまっとくね」
ってことで絵馬のラブドールは無駄にならずに済んだ。
なわけで俺たちは、ついに満を持してようやく結ばれた・・・俺は狐と人間の
ハーフとエッチしたんだ。
絵馬はエクスタシーがマックスに達した時、我慢できなくなるのか
狐耳がポンって、尻尾がポンって出た・・・。
絵馬がイったらすぐ分かる・・・耳と尻尾が出るから・・・。
めっちゃ面白い・・・俺は絵馬の耳と尻尾が出るのが見たくて何度も
頑張った。
くたくたに疲れきった絵馬・・・耳も尻尾も出たまま、しまう気力も
ないみたい・・・。
体力が回復するまで眠った絵馬、目が覚めるとめっちゃ満足したのか俺に
しがみついて言った。
「
「もうそろそろ
「あ、そうだね・・・七男ちゃん・・・それでいい?」
「いいよ」
「じゃ〜七男ちゃん、大好き・・・・もうめちゃ大だいだい大好き」
「俺も・・・」
「あ、即席うどん買うの忘れた」
「カップ麺でもいいじゃん・・・どうぜCMになんか出ないんだから」
「だな・・・」
「七男ちゃん・・・私まだまだ大丈夫だよ・・イケるよ、エッチ」
「え〜まじ回復力半端ないな・・・」
「だって私半妖だもん」
おしまい。
ごめんなさい・・・こんな私どうでしょう? 猫野 尻尾 @amanotenshi
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