リサ 20歳(2)

――生まれはどちらですか。

 出身は長崎です。

――長崎で18年過ごして、こっちに来た?

 そうですね、高校まで長崎で、そっから、あの、美容専門学校に。まぁ長崎にもあるんでけど……。

――あ、専門学生でしたか。

 はい。でなんか、それで、ええっと、上京して、今年で卒業ですね。二年生なんで。

――今おいくつでしたっけ。

今二十歳で、こないだ成人、式はしてないですけど、成人しました。

――専門が今二年生で、進路が決まって……

はい、決まりました。一年生の時点で内定いただいて、早かったですね。コロナが始まってからみんな結構落ちまくってるんですよ。

――じゃあ専門学校生は一年生から就活するんですか。

え、そうです。九月くらいからキャリア教育しはじめて、まぁ、十一月、十二月くらいから求人が出るところもあったりするからエントリーして、もう二月には決まってみたいな感じで、学校で二番くらいに決まりましたね。みんなが騒ぎ始める前から着々と。

――書類選考とか、実技とか?

書類と面接が二回。美容の職業なので。

――なんか、(美容部員って)百貨店とかで販売されてますよね。

え、そうです。そうです。販売できるかなぁ。

――(面接で)実技とかあるもんじゃないんですか。

授業はあります。エステとか、メイクとか、カットとかだけないんですけど、美容師のコースじゃないんで。あれは国家資格になるんで。そっちはとってないんですけど。資格試験とかはあります。

――なんでなろうと思ったんですか。

ほんとは美容師になりたかったんですよ(笑)。ほんとうは、ほんとうは。お姉ちゃんが美容師になって、あぁいいなって思って、で、お母さんがエステティシャンやってて、やっぱ美容職いいなぁって。でも、お姉ちゃんが美容師やってて、シャンプーあるじゃないですか、それで手めっちゃ荒れてて、なんかその……

――【リサのネイルの光る指先を見ながら】ネイルもできないし(笑)

ネイルはもう、これは成人式用なんですけど、わぁもう手荒れるのやだなって思って、で、まぁ中三とか高一くらいからYouTuberが出てきたくらいで、メイクに興味を持って、で、そっからはじめてメイクの方がいいしコスメかわいいし、っていう道? 美容はだいたい決まってた。

――けっこう家族の影響が強いんですね。

だいぶ強いです。

――お父さんは何されてるんですか。

お父さん学校の先生です。小学校の。

――先生! なるほど、もしかすると厳しい家庭環境だったんですか。

でも、まぁ、親が仲悪いこともあって、離婚する、離婚するにも、話し合いって必要じゃないですか。話し合いができないくらい仲悪いんですよ。

――落ち着いて話せなくなってしまう。

まず、話すのが嫌。一緒の空間に居たくない。

――なるほど、まぁ、そういったことなんですね。

でも、家庭……世間的にみたら、たぶん普通の収入とか得てると思うんですよね。なんですけど、そのやっぱり仲悪くって、やっぱちっちゃいころからお母さんお母さんばっかりで、お父さんとはあんまり仲良くないじゃないけど、やっぱそういうお金とか出してもらえないとかありましたし、今は、学費は払ってもらってるんですけど、家賃も全部自分で仕送り一切無しで、高校の時とかは制服代とか出してくれなくて、ほんと学費だけで。私立だったから、ほんと高かったんですよ。で、中学から行って。やっぱりお母さんの収入だけで三人姉妹……。

――お姉ちゃんが他にもいるんですね。

あ、二人。上に二人いて。

――結構年齢は離れていますか。

六個上と四個上です。

――じゃあ二人とも社会人。

そうです。

――今はお父さんとお母さんとは一緒に暮らしてるんですか。

(リサが)一年生の九月くらいまでは同居してたんですけど、実家に。十月にお母さんのおじいちゃんが亡くなって、すごい遺産がお母さんに入ってきて、別のところに住んでます。

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