若者の生活史

西村たとえ

リサ 20歳(1)

 リサは最初から明るく、人懐こいしゃべり方をする女の子でした。最初はどこか緊張している様子でしたが、間を埋めるようにたくさん話をしてくれました。本人が「私はミレニアム生まれ」と発言するように、今風な服装やメイクを施した女の子でした。

 また、公務員であり定収があるのにもかかわらず自分に対して経済的援助をあまりしない父親に対する葛藤や、性的な意味での初体験に関する要望についても積極的に話してくれました。

 父親の話をふると、さらに積極的に話をしてくれたような気がします。私が過去の生活環境に関するお話を求めていることを彼女は知っていたので、気を遣ってスイッチを入れてくれた可能性もありますが、父親に対する葛藤を確かに感じ取ることができました。

 他に、自身の初体験に際して、処女膜が破れることを「初めて彼氏としようとしても痛くてできなかった」「まだ経験がない」「だって肉が裂けるのと同じことじゃないですか」とする一方で、「イケメンと初体験を済ますことができれば後はパパ活で”大人”をしてもいい。たぶん歯止めきかなくなるかも」という考え方は今も私の頭に残っています。



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