第6話

そんな風に思ったら、いてもたってもいられなくなって。


もう会えなくなるなら、恥は掻き捨てとばかりに想いをしたためた手紙を、書いていた。


夜に書くラブレターは、とっても危険。


脳内のアドレナリンが過剰放出されて、後から読むに耐えないものになる。


そんなこと分かってた。


でも、先生だってきっと分かってくれるんじゃないかなって。


二度と会うことはない生徒の、夢物語みたいな告白を、先生ならそっと受け取ってくれるんじゃないかと都合のいい夢を見てしまった。



「先生、」


「……早いな。さっき、体育館前にいただろう?」



気づいていたのだ。


そして私がここにくるのを分かってた。


そんなの、もう、勘違いしてしまうじゃないか。


先生が待っていてくれたんだと。

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