第4話

「落ち込んでいるんだろうな……」



城崎さんの事を思って胸が切なく軋んだ。


あんなに好きだった人と別れてしまったなんて考えただけでも涙が出てくる。



「落ち込んでるのよ、そりゃもう見てるこっちが、鬱陶し……じゃない。切なくなる位落ち込んでる」



うっかりと口を滑らせた「鬱陶しい」の言葉にギロリと睨みつけると、弥生は小さく咳払いして言い直した。



「そりゃ落ち込みもするよ。でも、なんでそんなに好きなのに別れたんだろう」



話を聞いていれば、城崎さんは未練たっぷりだ。

まさか、振られた?


結婚迄考えた2人が別れるなんて、一体なにがあったんだろう。

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