21話 同級生と邂逅
俺たちが散々遊びまくってまだ時間あるしこれから何しよっか?となっていたところでこちらに声をかけてくる女子グループがいた。
「あれ、裕哉だよね?」「本当だ!裕哉君じゃん!」「相変わらず女の子と一緒に・・・・なんか増えてる?」
「お、
声の方を見ると、そこには同級生の里緒奈、唯華、涼花の3人がいた。
学校でも3人で仲良かったのは覚えているけど、休み中も遊ぶくらい仲が良かったみたいだ。
里緒奈の方は確か昔に仲良かったから覚えているけど、唯華と涼花は話したことはあるけどあんまり接点がなかった記憶。
「裕哉君もしかして私と涼花の事忘れてた?!」
「そうなの裕哉君?!」
「うぐっ・・・いや・・・・正直そうかも」
「「ひどい?!」」
すまんて。
いくら人生をやり直したいと常日頃考えていた俺でも仲いい子か印象のある子しか覚えておらなんだ。
「裕哉私のことは覚えてくれてたんだー?」
「ま、まあ、前に隣の席になったことあるし」
小学生は席が近くなった子と結構友達になったりする。
俺と里緒奈もそのくちで、何度か一緒に遊んだこともあったはずだ。
「そっか・・・♪」
「お、おう」
里緒奈が喜んだ気がした。
俺もそれを見て少し照れてしまった。
「「「ジト--------------------( ㅍ_ㅍ)」」」
「ひーろー君ー?」「ひろ君?」「裕哉っ?」
「うおっ?!なんだよ3人ともびっくりした!」
いつの間にか俺の背後をとっていた3人。
全然気づかなかった。あと何か抓られてるんだが・・・・。
「へぇ~やっぱり4人が仲良しっていう噂は本当だったんだねー」
ニヤニヤと里緒奈が言う。
他クラスの里緒奈にも俺たちの関係について広まっていたようだ。
まあ別に隠してないからいいけども。
「・・・それで、
待っていてもきりがないと思ったのか、舞依が名字を強調するようなトーンで里緒奈に問いかける。
大久保里緒奈というのが彼女のフルネーム。珍しい6文字編成だ。
「いや、ね~?」「ねー?」「ね?」
ね?だけで会話が成立する女子小学生。
これが日頃の同調圧力の成果だとでもいうのか?
「向こうで男子1人が女子たくさん連れてイチャ付いてるって聞こえてねー?」「えっと、なんていうんだっけ・・・・・確かハー・・・・ハー・・・・・ハーメルン?」「ハーレムだよ唯華ちゃん!」
どうやら俺たちが目立ちすぎて噂になっていたようだ。
そしてそれを聞いて気になった3人が来てみたら・・・というわけらしい。
「そうなん――「そっかー、じゃあ私たちはあっちだからまたね大久保さんー?」「ひろ君は萌花たちとやる事あるからバイバイ大久保さん」「大久保さんたち気を付けて帰ってねっ!」」
俺が返事する間もなく3人がケンカ腰て里緒奈に帰りを促す。
それを見て里緒奈は一瞬無表情になったように思えた。しかし俯かせていた顔をあげることにはすっかり元の笑顔に。
里緒奈は笑顔で俺に視線を向ける。
「裕哉せっかくだしひと泳ぎしない?私、裕哉と勝負したかったんだ!」
「え、勝負?」
里緒奈がうなずく。
「ほら、前は一緒に公園で野球とか鬼ごっことか、色々勝負して遊んでさ・・・それで私裕哉にあんまり勝てなかったじゃん?」
「そう・・・だったような」
「もー!忘れてたらひどいよ?」
プンプンな表情になる里緒奈が非難するようにこちらを見る。
・・・したって言われたらした気がするし、してないって言われたらしてない気がする。
「だから今度こそは勝ちたいんだ!私スイミングスクール通ってたから自信ある!」
「え、スイミングスクール通ってたんかよ」
俺はその言葉に舞依をチラ見する。
しかし舞依は「私は会ったことない」と首を横に振った。
スイミングスクールなんていっぱいあるからそんなもんか。
「まあ別にいいけど・・・俺よりも舞依の方が――「じゃあ決まり!はやくやろ!」――お、おう・・・・せ、せっかくだしみんなでやろっか!」
というわけで、里緒奈に勝負を吹っ掛けられた俺は対戦を受諾した。
流石に舞依たちもいるのでみんなでやる事にしたけどね。俺ってめっちゃ配慮できてるなぁ・・・(自画自賛)
飛び込みは禁止なのでみんなでプールの端に並ぶ。
左から、
「えへへ♪練習の成果を出すよー♪」
「頑張ろうね姫花ちゃん!」
「そうだね夕凪ちゃん♪」
里緒奈たちが来たときは人見知りを発揮したのか大人しかったけど、みんなと遊べるとわかって元気になった姫花ちゃんと夕凪ちゃん。
「頑張って勝つぞっ!・・・ホゾホゾ・・・これ以上は・・・・ライバル・・・・阻止・・・」
「私が一番なんだからねー!・・・ボソボソ・・・気に入らない・・・今のうちに芽を・・・」
「萌花こそ一番だよ!・・・ボソボソ・・・あの子はひろ君の事・・・萌花との時間が・・・・」
何やら真剣な表情の沙也加、舞依、萌花の3人。
ボソボソと何か呟いているので近寄りがたい雰囲気を醸し出していた。
そして、
「負けるわけにはいかない!」
小学生は足が速いやつがモテる・・・・・みなまで言わなくていいだろう。
自身の欲求に従って勝ちを狙う俺。
「今度こそ勝つんだから!・・・・ボソボソ・・・・勝てば・・・・裕哉・・・・・私の家に・・・・」
「なんかみんなガチだね?」
「ね。まあ、ほどほどにいくよー」
「そうしよっかー」
気合十分の里緒奈に、逆にまったりした様子の唯華と涼花。
――この9人で、レースが始まった。
試合終了後。
そこには、
「やったーーー!裕哉!私の勝ち!」
めちゃくちゃ喜んでいる里緒奈。
「くそー!!勝負前に足を使い過ぎたーーー!!さいあくーー!!」
「萌花、泳ぐの苦手なの忘れてた・・」
「もうっ!全然ダメダメだったっ!」
項垂れる舞依、萌花、沙也加。
「やったー♪泳ぎ切れたねー夕凪ちゃん♪」
「そうだね!楽しかった!」
見てて凄く和む姫花ちゃんと夕凪ちゃん。
「結構疲れたねー」
「里緒奈ちゃんは知ってたけど、舞依ちゃんも凄かったねー」
「それなー」
そして、緩やかな空気で話す唯華と涼花がいた。
結構カオスな状態だった。
肝心の勝負の結果は――――舞依と里緒奈の接戦ののち・・・・里緒奈の僅差勝ちだった。
理由としては、舞依は俺達と一緒に遊びまくってたので疲労が溜まっていたこと、対して里緒奈はプールに来たばかりで疲労が無かったこと。
俺には能力は同格に思えた。
「それじゃ裕哉!今日のお昼うちでタコパしようね!」
「あ、うん、わかった・・・・・・はい?」
「わーい!楽しみ!――あ、準備あるから先に帰るね!また後で!」
「・・・お、おう」
里緒奈がぴょんぴょんと嬉しそうに飛び跳ねながら更衣室の方に向かっていった。
それを見て慌てて唯華と涼花の2人が後を追っていった。
・・・・・俺はそっと視線を外した。何故って・・・今の格好忘れたのか? 揺れてんだよ・・・!!
これだから無防備な女は・・・
小学生なんだから無理もないか。(上から目線)
まあ中学生になってスカートでも履くように嫌でも視線というやつを理解することになるだろう。
・・・特に深い意味はないが。
そういうわけで、俺はたった今、同級生の女の子のタコパに招待された。
もちろん拒否権はなさそうだった。
しかしタコパなんて何時ぶりだ?
友人となら前にやったことあるけど、別に普通にたこ焼き食うだけだったしなぁ・・・・・
・・・・・・・タコパ・・・・タコパ!!!!
だがそれも異性が相手なら話は別。
――タコが俺を待っている!
★★★
あとがき
というわけで、新キャラ登場!
だいぶ女の子が増えてきましたねー
次回はみんなでタコパします。
初の食事回?
読了感謝です!
もしよければ☆☆☆をくれたら作者が喜びます!
また、コメント等もモチベーションが上がります!
今後ともよろしくお願いします!
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