18話 イチャイチャ 舞依と萌花


プールの冷たさで頭を冷やした俺たちは、さっそく水中鬼ごっこに夢中になっていた。泳いで鬼から逃げたり、他の人を障害物として撒いたり、水中に潜水したりと、普通よりも柔軟に逃げ回れる遊びだ。


俺は今、舞衣に見つからないように端っこの方を泳いでいた。

せっかくプールに来たんだから少しは泳がないとね。


「あー!ひろ君見っけー!」


「うわっ見つかった!逃げろ!!!」


「待て―――――――!!!」


そんなことを考えていたのが悪かったのか、余裕で舞衣に見つかってしまい、俺は慌てて旋回し舞衣から離れるように泳ぎだす。


―—女より男の方が過ぎれていることを知らしめてやるぜ!


SNSに呟いたら炎上待ったなしの言葉を胸に、俺はクロールで無双する。



「つっかまーえたー!!!」


「くそなんでそんなに早いんだよ・・・」



1分も持たなかった。

どうやら無双なんて俺には無理みたいだ。



「えへへ!私スイミングスクール通ってたからね!」


「は?なにそれそんなんチートじゃん!」


「ふっふっふー!ひろ君には負けないよー!」


幼少期にスイミングプールに通ってた舞衣。

そんな泳ぎ経験者であることをたった今知った俺は、始まる前に「あ、捕まえるのが無理そうだったら教えてね?()」と余裕発言をかまして煽っていたことを後悔した。何故なら・・・


「ひろ君ー?私の勝ちだねー?」


「う、うん・・・・わかったよやればいいんだろ!!!」


捕まえたのになかなか離そうとしない舞衣。

「約束通り・・・ね?」と期待する表情でこちらを見ていた。


俺は・・・・・舞の膝裏と腰の下に腕を通して、軽く胸あたりまで持ち上げた。


「きゃー!!ひろ君ひろ君ー!!」


「・・・・クソ恥ずかしいなこれ」


持ち上げられた後、俺の首に腕を回して楽しそうにする舞衣。

目の前が舞依で塞がれているので詳細はわからないが、目立っていないはずがなかった。


そう、俺は公衆の面前で舞衣をお姫様抱っこしていた。


それもこれも、舞衣がドラマでやってるのを見たから!とお願いしてきたのが悪い。

2人きりならいいけど「今!いーまー!」と言われたので逃げようとしたら煽り合いになって・・・・勝負することになって・・・・・俺が負けたわけだ。


俺の胸の中で上目遣いでこちらを見つめる舞依。

可愛くないはずがなかった。


「ひーろー君♪・・・ちゅ」


「・・・えへへ・・・ひろ君すきぃ・・・」


「俺も好きだよ・・・舞依」


舞依が求めるように顔をあげるのでそこにキスを落とす。

舞依が蕩けそうな顔で俺を見つめる。こんな可愛い姿を俺以外の男には見せたくない・・・。


やっぱり舞依は可愛すぎる。このままどこかに攫いたいレベルで。

腕の中にいる舞依を見ると自然と強く抱きしめるように力が入る。


・・・くそ、舞依ってこんなに小さくて、柔らかかったんだ・・・。


俺はしばらく舞依を身体全身で堪能した。








「ひろ君捕まえた!」


「うわ萌花お前いつの間に?!」


舞衣の次は萌花が鬼になったので、再びプール内に散らばった俺。

今度は先の反省を生かして女相手でも油断せずに無双してやろう。



・・・・そう決めて索敵しつつ移動していたら、背後から急襲され、萌花につかまった。


「な、ど、どうやって・・・・」


「えへへ!私はただひろ君が来そうなところで待ってただけだよ!」



ちゃんと警戒していたはずなのに!


そう驚く俺に、「やっぱり萌花たちは通じ合ってるんだね!」と嬉しそうにする萌花。

詳しく聞くと、直感で俺が来そうだと思った場所に先回りをして潜水し水中で待機していたらしい。


・・・なんだよそれいろいろおかしいだろ。


非論理的で俺にはどうしようもなかった勝負に思わず不平をこぼす。

・・・もしかして転生して神様からチート貰ってたりする?


現実逃避をする俺。しかし、実際に俺はこの通り捕まってしまった。


「ひろ君?いいよね?」


「ああ・・・もちろん」


舞衣と同様に期待した視線を送る萌花。

・・・・はいはい、やればいいんでしょ・・・ったく!



俺は姿勢を少し下げて後ろに腕を伸ばす。

萌花はそれを見て遠慮なく俺に抱き着いた。



「えへへ・・・・幸せ」


「・・・それならよかった・・・・くそ・・・・まためっちゃ見られてるぅ・・」



萌花をおんぶする俺と、おんぶされながら猫のように顔をこすりつける萌花。

そんな俺達には周囲から好奇の視線が集まっていた。


先ほどよりも視線が厳しくなっているのは・・・・気のせいだと思いたい。


気にしてもしょうがないので萌花に意識を集中する。


「ひろ君あったかーい」


「・・・それならよかった」


「ちゅっ・・・・えへへ」


「おい?!・・・・・跡つかないように、ほどほどにしろよ?」


「わかってるよぉー」


無防備な俺の背中と首を啄む萌花。

どうやらあの日のデート以降、すっかりはまってしまったらしい。

俺もするのもされるのも嬉しいけど、跡だけは注意してほしい・・・特に今日は水着だし。


しばらく酔ったようにデレデレと甘えてくる萌花。

すごくかわいい(語彙力消失)。



・・・・だが、萌花のような美少女相手に何もせずに我慢できるはずがなく。


俺は、不可抗力で萌花のおしりに触れてしまう手から感じる弾力と、背中から感じる素肌の温かさをしばらく堪能した。










★★★

あとがき



読了感謝です!

もしよければ☆☆☆をくれたら作者が喜びます!

また、コメント等もモチベーションが上がります!


今後ともよろしくお願いします!














  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る