16話 萌花とおうちデート
舞衣とのデート翌日。
少し寝不足気味の俺は昨日と同じように昼食を済ませて身支度を整えると、自転車に乗って外出する。
目的地は・・・・萌花の家。
普段から萌花の家で遊ぶことが多いが、2人っきりで遊ぶのは本当に久しぶりだ。
「よし、着いた!」
「ほーのかちゃーん!遊びましょー!」
自転車でおよそ2分。
俺は萌花宅の庭の隅に自転車を止めてからチャイムを鳴らし呼びかける。
「・・・ひろ君!いらっしゃい!」
「よっ萌花!お邪魔しまーす!」
出てきたのは白のパーカーにピンクスカートのラフな格好をした萌花だった。
俺はいつものように挨拶をしてから、飲み物を取りに行った萌花と別れて萌花の部屋に向かう。
「相変わらず本がいっぱいあるな」
何度も来てるので遠慮なく部屋に入って適当に座る。
室内を見渡すと、本好きの萌花らしく漫画や小説といった本が本棚にびっしりと敷き詰められていた。だが、それ以外は白と黒とピンクのカラーリングで統一された女の子らしい部屋になっていた。
「お待たせ!サイダーだけど大丈夫?」
「お、サンキュー!」
オボンにコップ2つとお菓子が盛られた皿を載せてやってきた萌花にお礼を言って、俺はサイダーを口に運ぶ。
「いやーやっぱりサイダーと言ったら三〇矢サイダーゼロだよなー」
「ひろ君はそれ本当に好きだよねー 萌花は炭酸強すぎてだめなんだー」
「この炭酸が良いんだよ!・・・・・ぷはぁぁあああああ」
「ふふふ・・・それじゃあおじさんみたいだよ」
2人で軽く雑談をしながらおやつを摘まむ。
昼ご飯を食べたばかりだけど小学生はおやつに目が無いのでそこは許してほしい。
「・・・そ、それで今日はどうする?デートするって話だったけど?」
夏祭りでの沙也加との一件で舞衣と萌花と個別にデートすることになっていて、昨日が舞衣、そして今日が萌花なのだ。
昨日の舞衣とのことを思い出してしまい少し気が高まってしまっていた。
「・・・なにしてもいいんだよね・・・?? お詫びだもんね・・・?」
「え、あ、うん・・・そう、だけど・・・・・」
心なしか萌花の瞳がさっきよりも暗く淀んでいるような気がした。
・・・え、俺何されるの?さすがに痛いのはちょっと・・・
俺の心配をよそに萌花は部屋の電気を落としてからカーテンを閉める。
室内はお互いを認識できる程度に薄っすら暗くなった。
「えへへ♪実は恋人になったらやってみたいことが色々あったんだ♪」
人が変わったかのようなルンルンなテンションで萌花が俺に近づく。
「お、お手柔らかに・・・・?」
期待半分不安半分で俺は萌花を見る。
萌花は俺とくっ付く様に座ると、そのまま唇を押し付けてきた。
「「・・・んんっ・・・・・・ちゅ・・・・」」
「・・・じゅるるる・・・んっ・・・・じゅるるる・・・ずずずっ・・・・ぷは・・・・」
「・・・・・
これまでのものとはレベルの違う激しさで吸い付く萌花。
俺の口内は萌花の可愛らしく凶暴な舌により蹂躙され、唾液という唾液が全て萌花に飲み込まれた。
「・・・・えへ♪ひろ君をいっぱい感じた♪」
「・・・・」
だけどそんなに嬉しそうにされたら何も言えなくなった。
・・・俺だって嫌じゃなかったし・・・
手持ち無沙汰だったので萌花の頭を優しくなでる。
「・・・・ひろ君しゅきーしゅきー」
「俺も好きだよ・・・」
「萌花はもっとしゅきー」
気に入ったのかふにゃふにゃになってしまう萌花。
いつもは大人しめの萌花がこんなに甘えてくるのはギャップがあって凄く可愛かった。
だけどこれだけで萌花は止まらなかった。
しばらくなでなでを堪能した萌花は何を思ったのか、俺の手を掴むと指を咥えた。
「え?!ほ、萌花?!何してんの?!」
「ちゅぷ・・・ちゅぷ・・・・・」
「あっ・・・・ちょ・・・汚いから舐めない方が・・・」
「ちゅぷ・・・・ひろ君は・・・・・ちゅぷ・・・・汚くなんかない・・・・」
目の前でちゅぱちゅぱと音を立てながら俺の指をなめる萌花。
指先には、生暖かさとヌルヌルとした感触が広がっていた。
・・・何で急に指を?!
衛生面とプレイの高度さから流石にこれは、と止めるように促したが・・・・無理そうだった。
それどころか・・・・・・・・・・・・・・・・なんか、俺・・・!!
美少女に自身の指を舐められる。
そんな経験をしたことなんてなかったけど・・・・何故かそれを見てたら興奮してきた。
俺はおもむろに咥えられている指を動かした。
萌花の口内をかき回す感じで。
「ちゅぱちゅぱ・・・・
やばいナニコレ楽しい。
俺の行動に少し苦しそうにする萌花。しかし、それで咥える止めるのではなく、顔を動かして適応していく。
なんというか征服欲的なものが満たされる気がした。
「ぷはぁ・・・・満足満足♪」
しばらくすると、満たされた表情で口から指を抜く萌花。
咥えられた俺の指は萌花の唾液でテカテカと光っていた。
・・・・・・
・・・・・・・・・・・やめておこう
そんなことしたら流石にドン引きされるかも。
倫理観を思い出した俺は脳裏に浮かんだ考えを捨て、大人しくティッシュで拭き取った。
そこからの萌花は激しさから一転ゆったりイチャイチャモードになった。
萌花に誘われるがままに入ったベッドで2人抱き合いながら横になる。
鼻が触れ合う距離で見つめ合いながら、触れ合うだけのキスをしたり、スンスンと首元の匂いを嗅いだり、ちゅー・・・と首に吸い付いたり。
そんな風に過ごしていれば時間はあっという間。
「ひろ君・・・・今日は色々ありがと!・・・・よかったら、またデートしようね」
「ああ・・・もちろん!今日は萌花と一緒に入れて嬉しかったよ!」
「ひろ君・・・・うん!萌花もだよ!」
ひらひらと周囲に隠れるように小さく手を振る萌花に見送られ、俺は家へと向かった。
☆☆☆
賀屋家 萌花母
「ただいまー」
「・・・・・・」
「あれ?ほのちゃんいないのー?」
仕事から帰宅した萌花母。
労いの言葉を求めて声をかけるも、いるはずの萌花からの反応がなかった。
「そういえば今日は裕哉君とデートだった・・・・・疲れて寝てるのかなー」
娘が男の子を好きになったときは驚いたけど、まさか付き合いだすとは思ってもみなかった。お前らまだ小学生だろー?最近の小学生は進んでるな・・・
呆れつつもついに青春を迎えた娘に嬉しくなる。
・・・・いじり倒してやろう。
娘と恋愛話してみたかったんだよねー。
ウキウキした気分で萌花の部屋に向かう。
「あれ?電気ついてるな・・・・・・ほのちゃんー?」
「ほのちゃーんー?・・・・・・・・・まじかよ」
呼びかけても返事のない娘に少し心配して部屋に入ると・・・・・・ベットの上でニヤニヤしながら首元に触れてジタバタしている娘がいた。
・・・・娘の首筋にはたくさんのキスマークを付いていた。
数秒固まったのち、見なかったことにしてそっと扉を閉めた。
最近の小学生やばすぎだろ。まさかもうセッ〇スまで・・・。
―—孫が早く見れそうだ
萌花母はそうポジティブに考えることにした。
★★★
あとがき
萌花は裕哉に対して重い感情を抱き続けた結果、爆発すると怖い女になった。
読了感謝です!
もしよければ☆☆☆をくれたら作者が喜びます!
また、コメント等もモチベーションが上がります!
今後ともよろしくお願いします!
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