24話 王様ゲーム(男1女9)



「「「「「王様だーれだ!!」」」」」


「あ!私が王様だ!」「唯華か!」「ちっ!」「王様ご命令を!」「わくわく」


始まってしまった王様ゲーム。

その最初の王様に選ばれたのは唯華だった。


「んん~!どうしよっかな・・・・」


「「「・・・・・・・」」」


悩む唯華に皆がドキドキと視線を送る。

数秒経ち、唯華が命令を発令した。


「じゃあ・・・・1番と5番が恋人繋ぎ!!」


「「「っ?!だ、誰だー?!」」」


いきなりの数段飛び越えた命令に皆の視線が交差する。

命令の基準がこれだと・・・・先が思いやられる。


「1番は私ー!」「5番は私!」


名乗り上げたのは、俺が学校で比較的話をする美香ちゃんと桃茄ちゃんの2人だった。2人はコレジャナイ感を醸し出しつつも、抵抗なく恋人繋ぎをする。


うん・・・なんか、その、下品かもしれないですけど・・・ふひひ・・・百合っぽくていいよね。

女の子同士からしか摂取出来ない栄養があると思うんだよね。


あ、てか、王様ゲームなのに王様以外に命令出すのはどうなんだよ唯華さん。

天然か?



「そろそろ次良いよねー?」「賛成!」「早く早く!」「次は私が王様になる!」



どうやら満足していたのは俺だけみたいだ。

女子たちは早々に命令完遂と判断したため、次の選挙に移る。



「「「「「王様だーれだ!!」」」」」


「あ、私だ」「くそー!」「今度は涼花か!」「ぶーぶー」



次に王権を神授されたのは涼花だった。

そして涼花は絶対順守の命令を下した。


「えっと・・・6番、7番、8番、9番がハグ!」


「あ、私6番!」「私7番っ!」「萌花8番」「9番俺だ」


もう一人の比較的よく話す同級生の歩美ちゃん、沙也加、萌花、俺の4人が集まってハグをする。


・・・・あの、すごく、・・・良い匂いでした。


沙也加と萌花は普段から遊ぶ中だから緊張とかしなかったけど、歩美ちゃんの耳が赤く染まっていたのはグッと来た。


・・・今度これをネタにからかってやろう。



その後俺が想定したエッチなことは起きず、指名されなかった舞依や里緒奈を含めた

みなの指名が一巡した。

結局やったのは、手繋ぎにハグにハイタッチといった感じで、俺の自意識過剰というか妄想たくましいといった感じだろうか。


何を期待しているんだか。


そう思ったのも束の間。



「「「「王様だーれだ!!」」」」


「私が王様だ!じゃあ・・・・4番が王様にキス!唇にね!」


「・・・・4番俺だ」


「「「「「っ?!キ、キス?!」」」」」



里緒奈が王様になった時に、それは起こった。

これまでの命令をはるかに凌駕した内容の命令。

しかも全く躊躇が無かった。女子同士とはいえキスは嫌じゃないのかよ?


里緒奈は俺に視線を向けた後、瞼を閉じて少し顔を上向かせた。


・・・まるで俺の引いた番号がわかっていたかのような采配だった。



「ちょ、ちょっと大久保さん?!それはライン越えだよ!ひろ君は舞依の恋人なんだから!」

「萌花も反対!恋人じゃないのにキスはダメ!」

「わ、わたしもっ・・・反対かなっ・・・・・ゴニョニョ・・・・・キ、キスするなら私が・・・・!!」

「お、おれも!!・・・うん!・・・良くないかなって!!」


里緒奈が問題なく進めることに対して、慌てて舞依、萌花、沙也加・・・・そして俺も反対する。

確かに、恋人がいるのに他の女子とゲームとはいえキスするのは良くないだろう。

常識的に考えて。


しかし、それに残りの女子達が正当性を主張する。


「まぁまぁ鮎川さん、落ち着いて。それにこれはルールだから!」

「そうそう!別に偶々裕哉君を指名しちゃっただけで、偶然の事故だからさ!」

「裕哉君、その、裕哉君と舞依ちゃん達の関係はわかっているから・・・だけどこれは、ただのゲームだから・・・・ね?」

「里緒奈ちゃんもわざとじゃないからさ!ごめんだけど!」

「否定するのも里緒奈ちゃんを傷つけると思うし」

「裕哉・・・・その、これはただのゲームだし・・・・それに・・・・い、一回だけだから!本当、先っちょだけだから!」


確かにゲームに同意したのに後から拒否するのは違うか・・・・ん?同意したっけ?

まあでも、ここで俺が拒否したら里緒奈を傷つけてしまうというのはあり得る話か・・・。


「舞依、萌花・・・・えっと」


「はー・・・・止めれなかったのは私たちだし・・・・・でも!浮気したら許さないから!」


「・・・・ひろ君の恋人は萌花だからね?・・・・今度またご褒美」


「お、おう・・・・いや、本当ごめん、これからはもっと気を付けますので・・・」


そういうわけでまさかの許可が出た。

いつも謝っている気がするが、マジで申し訳ないと思っている。

俺がされたら相手を殴り飛ばすくらい嫌だから。



「「・・・・んっ」」



そして行われる接吻。



舞依と萌花とは違う甘い香りがした。


「えっと・・・ありがと、ね?」


「お、おう・・・ごちそうさまでした?」


「何それ・・・ふふっ」


ドギマギしながらなんとか会話をする俺と里緒奈。

これまで見たことの無いような、大人っぽい里緒奈の表情に視線が奪われてしまった。



しかし、ゲームはここで終わりではなかった。

余韻に浸る間もなく次々に進められていく。


以下ダイジェスト。




①唯華と涼花


「なでなで」


「「ふぇえええ・・」」


「ちゅっ」


「「あわわわわ・・・・!!」」


頭なでなでとほっぺにキス。

羞恥心で涙目になっていた。




②美香、桃茄、歩美。


「ぎゅー・・・ぎゅぎゅぎゅー・・・」


「「「あっ・・・はわわ・・・・」」」


身体を抱き潰すくらいの強いハグ。

胸元に顔を埋めてほわほわ状態に。




③沙也加。


「よしよし」


「・・・っ・・・・えへへっ」


「ちゅっ」


「っ!!・・・すきぃ・・・ちゅっ・・・ちゅっ・・・」


「ふんっ」


「・・・あひゃっ?!・・・・ん”ひ”ふ”る”ほ”なにするの~!」


膝枕と唇にキス、そして何となく頬を掴んでタコ顔に。

元の顔が良いからかブサかわいい。



④萌花。


「よいしょっ・・・」


「えへへ・・・」


「萌花は軽くて可愛いなぁ・・」


「ひろ君すき・・・・ちゅるちゅる・・・ずちゅ・・・」



お姫様抱っこと、首に吸い付き。

両腕を俺の首に回して、首筋にキスマークを付けていく。

俺への愛情がめちゃくちゃ感じられるので嬉しい。




⑤舞依。


「ま、舞依・・・」


「ひろ君・・・・」


「「ちゅっ・・・・んんっ・・・・くちゅくちゅ・・・・ぷはっ・・・」」


「えへへ・・・すきぃ」


「俺も好きだぞ・・・」



「「「「「(ししし、舌を絡ませてっ?!)」」」」」




皆の前でペチャペチャと舌を絡めるディープキス。

舞依の目がとろんとしていて、可愛すぎた。

俺の目にはこちらを見つめる舞依しか映っていなかった。







こうして。

俺は家に呼んだ女子全員と何かしらの行為に及んだ。

最近倫理観がバグっているような気がする。

・・・あと俺達小学生だよな?昔の俺が消極的過ぎただけか?


そのためもちろん。

里緒奈たちが帰ったあと、しばらく舞依と萌花、そして何故か沙也加にも体中を抓られ、布団で縛られて拘束された。さらに、馬乗り状態で放置されるという地獄を味わった。



助けを呼ぼうにも身動きできない。



結局、仕事から帰って来た両親に呆れられながら解放された。


ぴえん。














しかし――




「……このままじゃダメっ……はやくどうにかしないと……!!」

「っ……やっぱり、ママに貰ったこれを飲み物に入れて……眠らせた後に……!!」

「……女の子を誑かす裕哉が悪いんだからねっ……!!」



一人の少女が、現状を打破すべく密かに計画を練っていた。


当初は「流石にこんな事したら、ダメだよね?」と罪悪感を抱いており実行するにしてももっと時機を見てから・・・そう思っていた。しかし・・・・湧き上がる感情を抑えることはもう不可能だった。


「・・・よしっ!これで邪魔者は居なくなった!」

「美容院行って・・・ママに化粧も頼んで・・・・」

「――私が一番になるんだからっ!」


そして、運も味方したことで計画は即座に実行されることに。


これにより、裕哉たちの関係性は大きく変わっていく――。





★★★

あとがき



裕哉はクズ。はっきりわかんだね。


そして、そんなクズに迫る怪しい影が・・・?!

い、一体誰なんだ・・・!!!(すっとぼけ)


次回!裕哉、ついに卒業!そして修羅場へ!






読了感謝です!

もしよければ☆☆☆をくれたら作者が喜びます!

また、コメント等もモチベーションが上がります!


今後ともよろしくお願いします!






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