2話 授業中のイチャイチャ

暴走する舞依を宥めつつ、何とか始業前に学校へたどり着いた。

マジで大変だったです。


忘れている人も多いだろうけど、実はこの年齢だと男よりも女の方が力があったりするんだよ。俺もうっかりしてた。

未だ逆行した実感が薄いのもあって、余裕で抑えられるだろ?とか思っていたけどダメダメで、俺のランドセルが尊い犠牲になってしまった。南無。


何とか、


舞依が可愛くて、好きだったから、これからは気を付けるから、で許してもらうことが出来た。



当の本人は今も隣でプンプンと頬を膨らませて歩いているが。


・・・だけどな舞依。何だかんだ言って嬉しそうなのは丸わかりだぞ?時折指で唇に触れたり、さっきの光景を思い出したのか顔を赤らめたりしてるからな。


言ったら殴られるから言わないけど。



「おお・・・久しぶりだなぁ」


「何言ってるのひろ君?」



久しぶりの校舎に懐かしさを感じていると、舞依が不思議そうにしていた。

どうやら声に出ていたようだ。気を付けないと。


「何でもないよ・・・じゃあ、また放課後!」


「・・うん!またね!」


名残惜しさを感じつつもお互い時間をずらしてから教室に入っていく。

そう、俺と舞依は同じクラスだ。仲良くなったのもそれが大きいだろう。


いやじゃあ何で別々に入るの?と疑問を覚えるからもしれないが、答えは簡単。

そんなの見られた折には「「「ヒューヒュー!!!」」」と歓声が響き渡った後、学年中に噂が広まるからだ。(恒例行事)


別に今の俺ならいいんだけど、いち小学生には避けたい状況だ。

そのため自然とこうなっている。



裕哉ひろやおはよー」


「おっす」


「おはよー」


「昼休みドッチボールでいいよな?」


「いいね」


「早く授業終わんないかなー」


「それより腹減ったわ俺。給食なんだろ」


「カレーだってよ!」


「「ラッキー!」」



久しぶりで誰かわかるか心配だったけど意外に何とかなるもんだ。

成長しても顔が変わるわけではないから当たり前か。


それより、ドッチボールと聞いてから体が勝手にソワソワするのは笑うしかない。

やっぱり俺も男の子だということだ。



友人と話しながら、俺は教室後ろに視線を向ける。

後ろでは女子たちが集まってお喋りをしていた。


・・・やっぱりこの学校、というか地区?には可愛い子が多い気がする。

すっぴんでこのレベルで、この上将来は化粧もするんでしょ?



しばらく女子を物色していると、先生が来たので席に着く。

そして、そのまま授業が行われる。



俺の二度目の小学生生活が始まった。









授業ははっきり言って退屈だった。(天才風)

内容も重要なことに広く浅くしか触れないし、一番つらいのは平仮名が多すぎることだ。


普段漢字に慣れていると気づかないかもしれないが、マジでわかりにくいし読んでてイライラする。



ex.国語

「だいじょうぶ、だいじょうぶ。」

それは、たいていのけがは、いつか治るもんだってことでした。

それは、そんなに悪いことばかりじゃないってことでした。



わかりにくいし日本語に違和感があるのは俺だけだろうか。

日本人はよく日本語を習得できたと思う。



とまあこんな風な授業が進むわけで。

暇な俺の視線が自然と女子に向かうのはしょうがないよね。



・・・おっ、あの子は緑ちゃんだったかな?


うわー!懐かしい!あの子って男勝りな上に顔も可愛かったから、女っ気のない小学生男子にも人気だったんだよなぁ・・・

俺は舞依に夢中だったから見向きもしてなかったようだけど、見てみると確かにかわいい。だけど確か途中で他県に転向しちゃったんだよねー。

クラスで寄せ書きしてお別れ会したな。離れたくないって号泣してたの覚えてる。


「・・・・ん?」


「欠片・・・?」


緑ちゃんについて懐かしんでいたら、どこからか白い欠片が飛んできた。

・・・いや、は、え?


困惑しながら発生源の方を見ると―――――俺に向かって消しゴムを千切っては投げ千切っては投げを繰り返す舞依がいた。


・・・何してんだよお前!


・・・地味に痛いからやめろ!


何とかアイコンタクトで伝える。

すると伝わったのか投げるのをやめた舞依は、今度は紙に何かを書き記してからこっちに投げてきた。


・・・いったい何がしたいんだよ!


そう伝えるも投げた紙を指さすのみで話が進まない。

俺は鉛筆を落としてからそれ拾うふりをして、紙を拾った。


そこに書かれていたのは、



【他の女子見過ぎ!バーカ!!!】



という文字と怒りのマークだった。



・・・なにこれ可愛いかよ。


舞依の方を見ると、先生にばれないように教科書をで顔を隠しながら俺の方を睨んでいた。俺と目が合うとチラッと緑と俺を交互に見てくるので、つまりは緑に嫉妬したのだろう。



・・・なにこれ可愛いかよ。(二回目)


俺はノートを破って返事を書くと、舞依の方に投げた。

舞依は俺と同じように鉛筆を落としたふりをして紙を拾う。


舞依は、


【舞依の方が可愛いよ】


という俺の返事を見ると嬉しそうな顔をした。



しばらくして、今度は舞依を観察することにした。

あんなことをしてくるくらいだから授業をまじめに受けてないと思いきや、俺と違ってしっかりノートを取っているようだった。


そういえば舞依って成績良かったな。

何度か宿題を教えてもらったことがあったし、頭いいイメージがある。


そんな舞依だが、大体3分に一回は俺の方を見てくるのがわかった。

・・・いや多すぎだろ。もしかしたら緑ちゃんのようなことが起きないように監視しているのかもしれない。


なので俺も対抗することにし、残りの授業時間ずっと舞依を見つめ続けた。

その中で特に目に入るのが舞依の綺麗な脚だろう。


実は俺、脚フェチなんだけど、その要因が舞依だったりするんだよね。

普段から舞依は脚を出す服装が多くて、しかも綺麗でスレンダー。

なので、それを長時間近くで見た幼少期の俺は無事脚フェチになったという訳だ。


そのことを舞依が気付いているのかはわからないが。

まさか、「俺って舞依の脚好きなんだよね。かなり見てるんだけど、気づいてた?」と聞くわけにもいかないしな。


ただ、女は男の視線に敏感だって聞くから、気付いているかもしれない。

当時はフェチズムなんて知らないから、つい女子の脚を見てしまうことに我ながらキモイと思っていたが、社会に出ればむしろメジャーな方でもっとニッチなのがたくさんあると知ったので、遠慮なく目の保養にしていこうと思う。





・・・今度触らせてって頼んでみよう。














★★★

あとがき


私は、美少女の、スレンダーで色白な、脚が好きだーぁああああ!!!



NEW!! 次回新ヒロイン登場!




読了感謝です!

もしよければ☆☆☆をくれたら作者が喜びます!

また、コメント等もモチベーションが上がります!


今後ともよろしくお願いします!

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