逆行転生したので両想いだった子に告白して人生やり直す!
やまいし
1話 両想いだった女の子
漆黒のランドセルに教科書と筆記用具、その他諸々を詰め込んだ後、乱雑に留め具をカチャリと響かせて、俺はキッチンで朝食の片づけをする母さんに向かって元気よく挨拶をする。
「お母さん、行ってきまーす!」
「車に気を付けてねー」
「・・・・」
「?どうかしたの?」
「・・ううん、何でもない!行ってきまーす!」
「行ってらっしゃいー」
俺の様子に一度視線をこちらに向けたものの、問題ないとわかると片付けを再開する。少し忙しそうにしているのは、この後仕事があるからだろう。両親共働きで家事は主に母親が担っている。
傍から見れば普段と特段代わり映えしないやり取り。
だけど、今の俺にとっては懐かしさを感じるもので・・・・少しグッときていた。
家から学校までは徒歩で片道15分といったところ。
車通りの多い道路に沿って通学路が続くため、朝は低学年の子たちがグループで通学しているのが目に映った。
昨日いきなり逆行していたので覚えているか不安だったけど、体に染みついていたのか問題なく生活できそうだった。
俺の前を、色とりどりのランドセルが左右に揺れながら楽しそうに足を進める。
その光景は、春の温かい日差しが相まって、どこまでも可能性に満ち溢れた子供達の行く末を表すような光景だった。
「・・・廃れた俺の心に染み渡るようだ」
未来に絶望していた俺にとって眩しい光景だった。
「えっと、何が染み渡るの?」
「何がって、子供たちの可能性がだよ言わせんな」
「・・はー?ひろ君頭大丈夫ー?」
「・・・・・・・え?」
「え?」
横を向けば俺の合わせて歩くランドセルの美少女がいた。
肩ほどにかかるショートカットに大きな瞳、そして清潔なシャツに惜しげもなく太ももから晒された生足。
そんな美少女が首をかしげながら不思議そうに俺を見つめていた。
ここ、この子って・・・!!
「ま、
「うん? そうだよ?」
舞依は「何当たり前の事言ってんのー?」と言いたげな表情をする。
あっけらかんとした顔の舞依。
それを見て俺は、遥か昔の楽しかった日々を思い出す。
数年以上も会っていなかった初恋の女の子が昔の姿でいる。
傍にいる舞依を見て改めて俺は、過去の自分がいかに幸せだったのかを痛感した。
この頃、毎朝こうして舞依と一緒に登校していた。
当時は意識してなかったけど、考えてみると結構リア充な日常を送ってるだろう。
・・・まあそんな関係も、いつの間にか疎遠になってしまったんだよな。
「・・・あのさ、舞依」
「んー?どうしたの?ひろ君?」
落ち着け。
俺にとっては後悔していた過去をやり直すチャンス。
こんな幸運が再び訪れる保証なんて存在しない。
・・・・ふぅ
頑張って緊張を押しとどめる。
そして俺は、過去に伝えられなかった積年の想いを何とか舞依へ告げた。
「・・・俺、舞依の事好きなんだ。俺の恋人になってほしい」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
急な告白に立ち止まる舞依。
舞依に聞こえてしまってるんじゃないか?と思うほど俺の心臓が激しく鼓動していた。
顔をあげた舞依と視線が交差する。
少し照れた様子で舞依が言った。
「・・・えっと・・・うん・・・いいよ」
「ほ、本当に・・・?!」
「う、うん・・・よろしくね・・」
「あ、うん!・・・・よろしく!」
顔に熱がこもるのがわかった。
こんなに嬉しいのは何時ぶりだろう・・・受験合格したときの10倍くらい嬉しいかもしれない。
俺はたった今彼女になった舞依を見る。
舞依は、「~~!!!!」と声にならないうめき声をあげながら、小さな両手で赤くなった顔を隠すように俯いていた。
それを見て俺も猛烈に羞恥心が襲ってきたが、それよりも俺にばれないように必死に顔を隠す舞依が可愛すぎた・・・・そして、隠せてない耳が真っ赤に染まっていた。
――いや羞恥に悶える舞依が可愛すぎるんだが?!だが?!
おかしいな、いくら相手が初恋の子で長年拗らせていたからといって、精神年齢20過ぎの大人がこんなに萌えるものなのか・・・?
相手は小学5年生だろ。
お前そんなのあれだぞ?捕まるんじゃないか?
――えっ、実は俺ってロリコンだった?!
もしかして高校、大学と進学しても一向に好きな人が出来なかったのって・・・・・それに風○には全然興味なかったし・・・・・・・・・いや、俺が舞依に一途だっただけ・・・・うん、そうだ・・・そうに決まってる・・・。
気付いてはいけない禁忌に触れそうになった俺は、心を落ち着けるために深く深呼吸をした。
――隣にいる舞依からめっちゃいい匂いが漂って来た。
・・・・くわぁ()
ダメだ、俺の内側から舞依を抱きしめたいという欲求が襲ってくる!
こんなの・・・こんなの・・・・!!!
ゆくゆくは・・・ね?(期待) とは妄想したこともあるけど、舞依はまだ小5だし、それに今付き合ったばっかりだから流石に急すぎる!
俺は必死に魔物を抑え込もうと
1人になる時間さえ作れればこんなものどうとでも・・・・・!!
「・・・ひろ君・・・えへへ」
「まままま、舞依?!」
だが、そんなことは知ったこっちゃないと、不意に俺の左手が温かいもので塞がれた。
手に感じる温かく柔らかい感触。
隣を見ると、どこか挙動不審な様子の舞依が恥ずかしそうにしながら、そのきれいな手で俺の手を握っていた。
軽く握ってから、ギュッと強く握る。
と思えば、さわさわとなぞるように触ったり、指を絡めたり。
そんな感じで、にぎにぎと俺の右手を
「・・・えへへ」
幸せそうに微笑む舞依。
それを見て俺は――
――ロリコンがなんぼのもんじゃい!俺は小学生が大好きなロリコンだぁああああ!!!
開き直って今この瞬間を楽しむことにした。
俺はロリコンと誹られようが舞依とイチャイチャできるなら気にもしない!
「舞依」
「なーに?」
今も笑顔でにぎにぎと遊んでいる舞依に俺は声をかける。
お互いの目が合う。
保護欲がそそられる小柄な美少女。
男を虜にしてやまない無垢な笑顔。
舞依は可愛い、いや、可愛すぎる・・・・!!!こんなの男なら我慢できるわけがない・・・・!!!
俺は欲望に忠実に、優しく舞依の頬に手を添えるとその唇にキスをした。
「っん・・・・」
「
軽く唇を触れただけ。
それだけなのに俺の頭の中がふわっとした感覚で一杯だった。
舞依の目は蕩けていた。
そっと離れる俺と舞依の距離。
物ほしそうな舞依の顔。
湧き出る己の欲望。
俺は、知識だけで人生で一度もしたことがなかったあれを試してみることにした。
何やらめっちゃ気持ち良いらしく、聞くところによれば麻薬にも劣らないとかなんとか。
街中でよくカップルがしているのを見たことがあった。
俺と舞依は彼氏と彼女・・・なら、やるしかないよな?
「舞依、舌を出して」
「ふぇ?・・・わかった・・・」
頭が働いていないのかふわふわした様子の舞依。
今の状態ならなんでも俺の言うことに従いそうだな。(ゲス)
舞依が舌を出したのと同時に、俺は待ちきれないとばかりに、自身の舌を絡み付けた。
「
何かを叫ぶ舞依。しかし俺の耳には届いていなかった。
ピチャピチャと音を立てながら互いの唾液を交換していく。
「「っん・・っん・・」」
始めの内は何か叫んでいた舞依だったが・・・・・・・しばらくすると抵抗する気が失せたのか、すぐに大人しくなった。
「「・・っん・・」」
「「ぷはぁ・・・」」
息が切れたところで絡めていた舌を離す。
俺と舞依は酸素を求めて息を吸うのを繰り返した。
「はぁ・・・・はぁ・・・・」
「はぁ・・・はぁ・・・・・」
疲労で声を出さずに酸素だけを求める俺と舞依。
・・・思ったよりやばいなこれ。中毒性が高すぎる。正直こんなに気持ち良いなんて思ってなかったぞ・・・
頭がぼーっとする感覚でまともに思考できるようになるまで時間がかかりそうだった。
――これもう実質S○Xでは・・・??
俺、
どこにでもいる普通の逆行転生した小学5年生。
そんな俺は今日、好きだった女の子にディープキスをキメました。
――数分後。
「ばか!ばか!本当にばか!急に何してるの?!周りにも人いたんだよ?!見られてたらどうするの?! このエッチ!変態!ひろ君!」
「いや、 ”ひろ君”は悪口じゃないだろ・・・」
「うるさーーーーーーーい!!!!!!」
俺は暴走する舞依のサンドバッグになっていた。
「それに、舞依だって気持ちよさそうにしてた――」
「ぐぎゃーーー!!!」
「痛い痛い!!ごめんってば!次からは気を付けるって!」
「うるさい!ニヤニヤするなー!!」
ごめん、それは無理だ。
★★★
あとがき
【二人仲良く登校中】
通勤中のOL「あらあら、2人で顔真っ赤にして初々しいわね~(青春時代を回想)」
【告白後】
通勤中のOL「きゃー!!聞いちゃった!聞いちゃった!(ぴょんぴょん跳ねる)」
【手を握った後】
通勤中のOL「あら~彼女の方から手を繋ぐなんて大胆ね~!!(小学生もやるわね)」
【キス後】
通勤中のOL「え、キス・・?キスしてないかしら??さ、最近の子は早いわね(震え声)」
【深い方のキス後】
※「んっ」や「あっ」や「じゅるる」といった
通勤中のOL「・・・・・・(絶句)」
読んでいただきありがとうございました!
12月中は毎日投稿しますので、よろしくお願いします!
もしよければ☆☆☆をくれたら作者が喜びます!
また、コメント等もモチベーションが上がります!
今後ともよろしくお願いします!
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