第33話

「え?」



「我慢して私と付き合ってたの?」



確かに告白したのは私。



優しい彼はきっと断れないに違いないって、縋る様な告白をした。



卑怯だった。



付き合うようになってもずっと優しかったよね。



手をつなぐようになって、名前で呼び合うようになって、デートもたくさんしたし、



…キスもした。



いつしか好きになってもらえてるんだと勘違いしていた?



ホントはずっと別れたかった?



そう言いたいのを我慢してたの?



言いながら、涙が溢れてきた。



彼の話を聞きたいのに、ダメじゃん。



また自分ばっかり言いたい事を言っている。



彼を苦しめてる。



これじゃダメなのに。



机の上にポタポタと落ちていく涙。



制服の袖口で何度も何度も頬を擦った。

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