第28話
そう考えたら、体がもっと震えてきた。
額からジワリ汗が浮いて、胸やけみたいな痛みと、吐き気が襲ってきた。
ホームルームが終わる頃、私の顔色が悪いと気づいたのは新谷くんで、
担任の指示もあって彼が私を保健室まで連れて行ってくれた。
「まだ熱下がってねぇんじゃねえの?」
ベッドに横になった私に珍しく不安げに聞いてきた新谷くんに、首を左右に振って答えた。
「大丈夫、熱は4-5日前には下がってるの」
「そっか、とにかく静かに寝てろよ」
本当にあの新谷くんなのかと耳を疑いたくなるくらい、優しい言葉が彼の口から紡がれる。
胸の痛みと吐き気がなかったら、『ありえなくて気持ち悪い』と言ってやりたいほどだった。
「そのうち保健医も帰ってくんだろ」
「…分かっ…た…」
新谷くんの言葉に答え終える頃には目を閉じて、意識を失うように眠りに入っていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます