ショックだったのは、悲しかったのは…、

彼が私に何も話してくれなかったことだ。

私は自分の気持ちを全部話してた。

隠し事なんかしたことなかったのに。

どうして話してくれなかったんだろう。

私が自分の気持ちばっかり言っていたから？

成くんの気持ちに気付いてあげなかったから？

そんなの、

そんなの彼女失格だ。

成くんはきっと優しいから。

だから、イヤだと思うことも我慢してたんだ。

彼女にして欲しい事、気付いて欲しい事、言いたくても我慢してた。

私は全然気付けなかった。

のうのうと彼に甘やかされていただけ。

頬をぬるい滴が伝った。

ガーゼの枕カバーに染みを作る。

それは、ポタポタと続けざまに落ちてきて、染みを大きくした。

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