第21話

そして次の瞬間、目の前の扉が開いた。



私の視界に入ってきたのは見慣れた成くんの広い胸。



そして、彼の後ろで座って彼を見上げ笑っている女の先輩の姿。



多分サッカー部のマネージャーさんだったと思う。




「雛???」



頭上で響いた成くんの驚いた声に、私は彼の顔を見るべく顔を上げた。



見なきゃよかった。



大きく見開かれた目。


赤く染まった頬と、唇に擦れるように着いたオレンジのルージュ。








今日はなんだか後悔してばっかりだ。

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