第18話
「ひよこ、教えてやろうか?あの体育倉庫が今何に使われているか」
聞きたくなかった。ここからすぐにでも離れたかった。
それなのに、足が動かなかった。
小さな、種みたいな疑惑が私の胸の中に生まれた。
「あの体育倉庫、Hするには最適の場所なんだぜ」
ククッといやらしく笑う新谷くんの声が耳元で囁かれた。
吐きそう。
目の前がグラリと揺れて、倒れそうになった。
それでも机の角を掴んで、必死で堪えた。
この人の前でこれ以上弱い自分を見せたくなかった。
フラフラと左右に揺れる身体を自覚しながら、教室の出口へ向かう。
「一緒に体育倉庫に行ってやろうか?」
語尾に笑いを含ませている。
「新谷くんには関係ない!」
怒鳴るように言って、教室を飛び出した。
新谷くんの言う事なんて無視して、そのまま帰ればよかったんだ。
体育倉庫になんて、行かなければよかったんだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます