three
第13話
「なあ、雛。俺考えたんだけど」
帰り道。
成くんはダッフルコートに両手を突っ込んだまま、腰を倒して私の顔を覗き込んだ。
「なに?」
「記念日は思い出の場所で待ち合わせして、それからクリスマスイルミネーションを見に行くってのはどう?」
「思い出の場所?」
「そう。」
どうかな?って意気込んだ様子の成くんの言葉に、初めて成くんが提案してくれたプランに、私がイヤだって言うはずがなかった。
「いいよ。そうしよう」
「時間は…あの日は午前授業だから、午後3時でどう?」
「うん!楽しみだね。」
本当に楽しみだった。
クリスマス前のこの時期、イルミネーション特集の雑誌を梨香と一緒に見ていて「行きたいね」と
話していたのを覚えていてくれたのだと思って、益々嬉しくなった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます