three

第13話

「なあ、雛。俺考えたんだけど」



帰り道。



成くんはダッフルコートに両手を突っ込んだまま、腰を倒して私の顔を覗き込んだ。



「なに?」



「記念日は思い出の場所で待ち合わせして、それからクリスマスイルミネーションを見に行くってのはどう?」



「思い出の場所?」



「そう。」



どうかな?って意気込んだ様子の成くんの言葉に、初めて成くんが提案してくれたプランに、私がイヤだって言うはずがなかった。



「いいよ。そうしよう」



「時間は…あの日は午前授業だから、午後3時でどう?」



「うん!楽しみだね。」



本当に楽しみだった。



クリスマス前のこの時期、イルミネーション特集の雑誌を梨香と一緒に見ていて「行きたいね」と

話していたのを覚えていてくれたのだと思って、益々嬉しくなった。

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