第12話

「健全な男子が行きたいところも、したいことも決まってる」



「はぁ?」



わけが分からない。



意味深な言い方をされて、益々イライラが募るだけだった。



聞かなきゃよかった。



私は左隣に向けていた体を前に戻した。



「教えてやろうか?」



なおも続ける彼の言葉を無視して、窓際の席に座る成くんの背中を眺めた。




まだ悩んでるみたいな様子が、なんだか可愛かった。



成くんと過ごす記念日まであと少し。



なんだかワクワクした気持ちと、少しドキドキと緊張に似た気持ちがアンバランスに私の心の中で揺れていた。

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