第6話
「ん…?ひよこ?」
グサッ!
その頃にはすでにクラスメートから「ひよこ」と呼ばれていたから同じクラスである彼がそう呼ぶのも別に違和感はなかった筈だけど、ろくに口も聞いた事のないクラスメートから
改めていわれると結構凹む。
「あ…ゴメン」
なぜか彼のほうが謝ってきた。
「え?」
どうして彼が謝るんだろう?
不思議そうに彼を見上げた私の心境を知ってか、彼は申し訳なさそうに言葉を続けた。
「ひよこじゃねーよな」
ひよこだよ?皆からそう呼ばれているのは間違いない。
「三笠 雛子(ミカサ ヒナコ)だよな」
ひよこの名前の由来にはこの雛という名前にもある。
やっぱり名は体を表すものなんだよ。
でも、
ひなこと彼が私の本来の名前を呼んでくれた時、胸の真ん中辺がなんだかくすぐったく感じてしまったのを
いまでもはっきり覚えている。
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