第5話
その時の彼女の傷ついた顔に、私は滅茶苦茶反省した。
放課後一人で校舎の壁相手にサッカーボールを蹴る練習をした。
その練習の最中に私の蹴ったボールが壁から跳ね返り、勢いあまって通りがかった人の顔面に直撃した。
その人が…、
成くんだったんだ。
ファンクラブのお姉さま方がいたら、きっと女子トイレに連れて行かれて恨み辛み言われていたに違いない。
だって、イケメンの顔にサッカーボールの跡つけたら、そりゃあ腹も立つよね。
「…ゴメンなさい」
おそるおそる近寄り、蹲る成くんの顔を覗き込む。
「いって…」
顔をさすりながら立ち上がった彼は、その身長だけで私を威圧した。
ひぇぇ…殴られるかも。
当時の私の成くんの印象は、大きくて怖い人って感じだった。
だって背の高い人ってそれだけで怖い。
「ごめんなさい!!」
小さい身長を更に折り曲げて、彼にひたすら謝った。
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