第4話
成くんと親しく慣れたのは、1年の時のクラスマッチの時。
球技という球技が全て苦手な私も、クラスマッチに参加しないわけにはいかなくて、
皆の中に埋もれて過ごせればいいやという安易な思いつきでサッカーを選択した。
ボールなんて蹴れなくても皆と一緒に走ってれば終わるっしょ。
今思えば浅はかな考えで。
でも同じチームになった、もと中学女子サッカー部キャプテンの経験があるクラスメートの
そんな私の逃げの姿勢を見逃すはずもなく、クラスマッチまで鬼のような特訓を
受ける羽目になってしまった。
『ボールよく見て!』
『地面蹴ってどうするの!ボール蹴りなさいよ!』
終いには、ヘタクソ!だのドジ!だの飛び交う悪口雑言の嵐に、もともと短気な性格の私が大人しく従うには心が幼すぎた。
「うるさい!!!みんながみんなアンタみたいに上手くできると思わないで!!!」
怒鳴ってしまった…。
自分の時間を割いてまで練習に付き合ってくれたクラスメートに。
根気強く教えてくれた彼女に、酷い言葉を言ってしまった。
後悔しても後の祭り。
傷ついた彼女の顔、今でも覚えてる。
その日から彼女はサッカーの練習を止めてしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます