第2話

「えっ、なに!?」



視界がまだぼやけるのに勢いよく飛び起きたせいで、頭がぐらぐらと揺れる。



う、気持ち悪い。



脳が揺さぶられる感覚をどうにかしようと頭を片手で支えて、ぎゅっ、と強く目を瞑った後、何度か瞬きを繰り返した。



徐々にクリアになる視界。



見慣れた部屋の壁紙に、少し視線をずらせば淡い花柄のカーテンが見える。



自分の部屋だと認識してホッと息をついた。



寝惚けてたのかな私。



小宮山先生の声が聞こえるなんて、疲れてんのかなぁ。



甘いものが欲しくなるみたいに、小宮山先生が恋しくなる……みたいな?




ふ……、まさかね。



普段の自分なら絶対しない解釈に、苦笑してしまう。



私の部屋に小宮山先生がいるわけないじゃない。



いるわけ……、









「……美沙?」



背後から聞こえた声に、ばっと体ごと振り返った。



あ、目眩する。

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