第24話
そのまま桜の木に吸い込まれていきそうな位、風馬が儚く見えて。
思わず手を伸ばした。
少し冷たい指先を絡めとり、風馬に近付く。
「風馬は?」
「…………さぁな、」
寂しそうに笑わないでよ。
幸せだって言ってよ。
喉の奥に込み上げてくる熱を無理矢理押し込めて、
私はスコップを握った。
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