第23話

「スコップ持ってきたよ」




風馬に一つ渡し、あの日埋めた場所を少しずつ掘り返した。




意外に深く掘っていたのか、埋めたはずの小さな木箱はまだ見付からず、案の定風馬はさぼって幹にもたれている。




「風馬、」




「なぁ、咲良は今幸せか?」




「え、?」




見上げると桜の木を背負う様に風馬が立っていた。




「……しあ、わせだよ」




答えると、嬉しそうに笑う風馬。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る