第15話

「咲良、覚えてるか?」




同窓会で私の隣に座り、オレンジジュースのグラスを傾ける風馬の口から溢れるように響いた言葉。




「20歳への自分の手紙、?」




少し自信がなくて。




でも、風馬との一番の思い出は、やはりこれなしでは語れない。




「咲良の20歳の誕生日にさ、掘り返しに行かない?」




私の誕生日。




つまりは4月3日。




「うん」




素直に頷いた私に風馬は、小指をそっと絡めてきた。

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