第14話

辺りが夕陽でオレンジ色に染まり出しても、桜の花弁が同じ様に染められることはなくて。




そのオレンジの空さえ覆い尽くすほどの、桜の屋根が私を守ってくれているみたいで、ホッとした。




夜の帳が降りてくるのが、刻々と迫ってくる。




タイムリミットが近付いていた。








「来るよ、風馬はきっと来る」



祈りは、懇願に変わる。




来てほしい。




あの日交わした約束を、お願いだから果たしてほしい。

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