第8話
ぶわっ、と風に巻き上げられた桜の花弁が、肩より長く伸びた私の髪に絡まる様に縫いつく。
見上げた桜の木は、10年前となんの変わりもなく見える。
校舎は一部が耐震基準を満たすために建て直しされた。
風馬と一緒に遊んだ中庭のブランコがあった場所には、増設された校舎が建っている。
「変わらないものなんて、ないんだよね」
変わらない桜の木を見上げながら、変わっていく景色を寂しく思う。
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