第9話

小学校を卒業後、中学では一度も風馬と同じクラスになることはなかった。




だけど、同じ地区に住んでいた私達は帰り道が一緒で。




別に約束なんてしなくても、気付けば並んで帰っていた。




「高校、県外なんだって?」




訊ねた私に風馬は、「よく知ってんな」って驚いた顔をした。



知ってるよ。




風馬の事ならなんでも。




風馬が好きだったから。




離れて過ごすようになって、寮に入った風馬が実家に帰ってくるのは、長期の休みだけ。




それでも、部活だなんだってすぐに寮に戻って行く。

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