第41話

布団を剥いでベッドから降りた。



「おい、大丈夫か?医務室の先生呼ぶか?」



そっと肩に触れた伊吹の手から逃げた。



「おい……」



「平気、大丈夫だって言ったじゃない。ゴメンね伊吹くんには迷惑かけちゃったね。私のことはもういいから、彼女の所戻った方がいいよ?」



「彼女?」



「あ、怒ってたら、私ちゃんと説明するからね。樋野さん優しい子だからきっと許してくれるよ」



「樋野?…….お前さっきからなに言ってんのかサッパリ分んねー」



コートを着る手を止めて、キッと伊吹を睨みつけた。



「だから!サッサと好きな子の所に行きなさいって言ってんの。今日はイブなんだよ?恋人同士は一緒にいなきゃ……ダメなんだから」



呆気に取られた様子の伊吹に、ふんっと思いっきり言ってやった。



「私も今から、クリパ行って楽しむんだから」


コートを着込みバッグを持って、今度こそ本当に伊吹に背を向けた。

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