第38話

「そっか……良かったね。これでゲイとか、女嫌いとかいうレッテルはられなくなるね」



「ゲイ……って、お前なぁ」



「ごめん、ごめんって」



ごめん。本当にごめん。


私、心の底から祝福なんてできないよ。


伊吹が好きだから。



「ごめ……っ、」



声が詰まって、言葉にならない。


喉の奥からせり上がる何か。


きっと堪えなきゃ、伊吹を困らせるだけだ。



「おい、どうした?」



また具合が、悪くなったとでも思ったんだろうか?



伊吹の声が動揺している。

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