第34話
遂には女子とデート迄しちゃうんですか。
私自身が偉そうに彼に言ったのだ。
人と人との出会いの大切さを。
そんな私が彼の成長を寂しいと思ってはダメだ。
「じゃあ、伊吹はクリパ来ないかもねー」
残念、と呟いた楓の言葉に、心臓がぎゅうっと掴まれた気がした。
一瞬息が出来なくなって、苦しさに胸の辺りの服を掴んで蹲った。
苦しい。
苦しいよ、
胸が痛くて、苦しくて仕方ない。
伊吹がクリパに来ないと言うことは、伊吹がカップルになって参加資格を失ったということだ。
それが分かって、凄く苦しかった。
こんなに苦しいのは初めて。
息するのが辛くて、短く吐く様にしか呼吸できない。
「ちょ、妃奈?」
急に蹲った私に驚いた楓の声が頭上で、煩い位に響いている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます