第28話

「だから、私と翔大。有村 翔大(ありむら しょうた)だよー」



「有村と付き合い始めたの⁈」



なんとか咀嚼と嚥下を終えて、水で上からそれを流し込んで楓に尋ねた。


あー、苦しかった。



「まだだよ?今日告白するから」



「え?なにそれって、楓の方が片想いしてるの?」



「んふふー。片想いは、今日で卒業するから」



「いや、なんで、片思いでそこ迄自信満々なの?……てか、なんで有村?」



有村 翔大。


同じクラスのクラス委員長。


言い方は悪いけど、真面目が取り柄の地味な男子だ。


ムードメーカーでお祭騒ぎの中心にいる楓を、諌める立場にいる男子だ。



「いつだったか煩いとか、つまんないとか、散々貶してたじゃん」



正反対の2人だから、付き合うには1番障害がありそうな2人だと思うんだけど。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る