第26話

終業式が終わって、2日目。


その年のイブは朝から雪が積もった。


16時からカラオケボックスのパーティ会場を貸し切って行われるそれへの参加者は、20名。


カップルや風邪を引いたりインフルエンザにかかってしまったメンバー以外は全員参加だった。



「なによ、暗いわね」



ランチに誘われて寒い中出てきた私に、楓は冷たい一言を落とした後、ニッコリ笑った。



「それより、見てよこれ」



と、コートの前を開いた楓。


普段制服姿でしかスカートを履かない彼女が、サンタコスプレかと見まごう様なフワフワのファーが付いた赤いワンピ。覗く足は生足だよ?ってカッコの上に白いコート姿で現れたから私は一瞬唖然とした。



「いや、なにそのカッコ」



「クリパには、サンタ必要でしょう?」



いや、それパーティの時に着替えればいいじゃん。


今から着てる意味ないよね?


そう言った私に、



「コート脱がなきゃ分からないって」


と、宣い本人全く気にしてないから。


隣で歩く私はコート下から覗く艶かしい素足にヒヤヒヤした。


タイツ位履こうよ!

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