「うちのお婆ちゃんが言ってた。

人と人は、これから何度でも会うことはあるだろうけど、

もしかしたら二度とは会えないかもしれない。

誰にもその人との未来は分からない。

今を逃せば、一生会えないかもしれない。

幾ら望んでもね。

だから人と人との出会いはその時限りかもしれないって考えて大切にしなさいって……」

「一期一会だろ、それ」

「いい言葉だと思わない？」

「別に二度と会えなくても、後悔迄する相手が今周りにいる女達の中にはいるとは思えないね」

ため息混じりの言葉に、凄く寂しくなった。

伊吹にとっては、私もその中に入ってるんだろうな。

「……嫌だな」

「え？」

「私は嫌だな。伊吹くんが女子を毛嫌いするのも、女子に誤解されたままなのも……嫌だよ」

「べっ、別に関係なくね？」

「関係ないの？」

バッサリと切り捨てられた様で、なんだか無性に悔しかった。

「関係ないよ」

重ねて言われて、もっと苦しくなった。

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