「自分に嘘ついて、愛想よくなんか出来ない」

そう言った伊吹の事、私は好きだと思った。

素直な、ありのままの、伊吹の言葉だもん。

「私も、伊吹くんはそのままでいいと思う。作りものの伊吹くんなんか誰も見たくないよ。だからって、壁をつくる伊吹くんも見たくない」

無意識に熱弁を振るう私を、伊吹は黙って睨むように見ている。

あぁ、きっと煩いとか、ウザいとか思ってるんだろうな。

そんなことをチラリと考えたけど止まらなかった。

だって、こうして伊吹と話せる事は私にとってとても嬉しい事だもん。

皆もきっと普通に話したいって思っている筈だから。

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