第19話

「だ、男子と話すみたいに、女子とも話せばいいのに」



視線を逸らして、平気な振りをして話し続けた。



「マトモに会話にならねぇし」



「なんで?」



「俯いて黙り込むか、悲鳴あげるか、俺の話聞いてるやつなんかいねーよ。皆一方的なんだ」



チッと舌打ちしたくなる伊吹の気持ち分らないでも無い。


だけど女子の気持ちも分かる。


伊吹が話し掛けてきたら緊張するもん。


私の場合、楓や小林といる時に、彼等と話すために近づいてくる伊吹に徐々に耐性がついたお陰で、今こうしてなんとか話せてるんだから。



「でも、寂しいよね。せっかく知り合えたのにお互いに分かり合えないままなんて」



「そうか?仕方ないこともあるんじゃね?実際まともに話せない相手とどう分かり合えって言うんだよ」



伊吹は何時もの不機嫌な表情に戻ってしまった。

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