第19話
「だ、男子と話すみたいに、女子とも話せばいいのに」
視線を逸らして、平気な振りをして話し続けた。
「マトモに会話にならねぇし」
「なんで?」
「俯いて黙り込むか、悲鳴あげるか、俺の話聞いてるやつなんかいねーよ。皆一方的なんだ」
チッと舌打ちしたくなる伊吹の気持ち分らないでも無い。
だけど女子の気持ちも分かる。
伊吹が話し掛けてきたら緊張するもん。
私の場合、楓や小林といる時に、彼等と話すために近づいてくる伊吹に徐々に耐性がついたお陰で、今こうしてなんとか話せてるんだから。
「でも、寂しいよね。せっかく知り合えたのにお互いに分かり合えないままなんて」
「そうか?仕方ないこともあるんじゃね?実際まともに話せない相手とどう分かり合えって言うんだよ」
伊吹は何時もの不機嫌な表情に戻ってしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます