第18話
「さすが詳しいな」
伊吹の感嘆の声に眉を顰める。
「さすがって?」
「いや、付き合い長いんだろ?お互いのことよく分かってるんだなって……」
ほんの数時間一緒にいて、いつの間にか私にも小林や楓と話す時のように話を振ってくれるようになった伊吹。
それは、凄く嬉しい。
だけど、こんな風に小林とのことを誤解してるような言い方をする伊吹は嫌だ。
「腐れ縁ってだけだから」
「そうなのか?」
「そう!それ以上でも、それ以下でもないから」
誤解されたくないって思うのは、やっぱり私が伊吹のことを特別に思っているからだよね。
……うん。誤解されたくない。
「伊吹くんは?」
「は、?」
「女嫌いなんでしょ?仲良い女子とかいないの?」
私の言葉に伊吹は驚いた顔をした。
「俺、女嫌いなの?」
逆に聞かれてしまった。
「だって、男子とばかりつるむし、女子が話し掛けたら機嫌悪いし、笑わないよね?」
「デススマイル」
「は?」
「デススマイルだから、お前は女子の前で笑うなって言われたんだ。それでなくても、俺愛想悪いし……」
愛想悪い事は自覚してるんだ。
シュンと項垂れた様子に、胸がギュインと搾られた。
半端なく痛いしっ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます