第17話

無事にプレゼントを買うことが出来た私達は、当初の約束通り新しくオープンしたドーナツのお店へ向かった。


何故か3人で。



「奢りなら、俺も行く」と、伊吹が言ったから。



「なんで俺が伊吹に迄奢んなきゃなんねーんだよ!」



小林は文句を言ったけど、



「来年からテスト前のノートコピー無しな?」



と伊吹に言われたもんだから、態度を180度変えて伊吹にはドーナツ7個も奢ってた。


狡い!



「あー、満足」



お土産のドーナツを手に、ご機嫌で店から出た途端、



「ゲッ、姉貴からメールだ」



小林が情けない声を上げた。


どうやら、半額券を独り占めした小林に、お姉さんからドーナツを買って来いと命令がでたらしい。



「悪い、ちょっと待ってて!」



返事も待たずに店へ戻った小林を、仕方なく待つことにしたけど……。




「寒い!寒いよね、どっか風よけれる場所で待とうよ」



吹き曝しの場所から、半ば強引に伊吹を風除けできる場所に促した。



「ドーナツ選ぶのきっと時間かかるよ、小林優柔不断だし……」



さっきだって、私達が決めた後まだ迷ってたし。

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