第9話

「サンキュー。今日タオル忘れてさぁ……。あ、そうだ妃奈クリパ行くだろ?」



私のタオルで頭を拭く小林は、まるで、私が行かないわけはないと言いたげに断言した。



「行く……だって、寂しい独り身だし」



「だよなっ?じゃあ放課後買い物付き合えよ」



「は?」



じゃあって、今、話どこと繋がったの?



「クリプレ!500円皆で持ち寄るだろ?それ買いに行こうぜ?」



「え、?なんで小林と?」



私だって他に付き合いあるんだから。いつでも付き合えるわけじゃない。


今しがたあり得ない誤解を聞いたばかりだ。これ以上の誤解は絶対避けたい。


……筈だった。

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