第6話

先輩を追うように同じ大学へと進学した私は、その2ヶ月後先輩からとんでもない報告をされた。




「大学を休学して、日本全国を旅しながら写真を撮りたいんだけど……」



彼女への相談じゃない。



……あれは、事後報告だ。



だって、大学への休学届けは受理されたと聞いたから。



今だって長期の休みには出掛けて行ってなかなか会えないのに、もっと会えなくなるのかと思ったら、寂しくて仕方なかった。



「俺らなら、大丈夫だって思うんだ」



先輩の言葉は呪縛だ。



切れない鎖で繋がれて、身動き出来なくなる。



「そうかも……しれませんね」



そう答える以外、私は何て言えば良かったの?

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