第5話

付き合うようになってからも、先輩と私の距離はあまり変わらなかった。



先輩の彼女という肩書きだけを持った、ただの女子。



そんな感じ。



大学に入ってからも、先輩はいつも一眼レフを持ち歩いていた。



長期の休みには、青春18きっぷを使って、あちこち写真を撮りに出かけていた。



私と過ごす時間より、圧倒的に一眼レフと過ごす時間の方が長い。



それでも、旅先から送ってくれる先輩の写真はお守りみたいに私に力をくれた。



やっぱり、先輩の撮る写真が一番好きだと思った。

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